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千寿の楽しい歴史
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肥後街道(小保町2)千寿の楽しい歴史
肥後街道(小保町2)

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法泉寺

天正年間(1573~1592年)榎津と小保の境に開山され、寛文5(1665)年に柳河藩主の援助を受け、現在地に移転し、小保町で最初の柳河藩本陣となりました。

本堂は宝形造り、本瓦葺。正面向排一間つき。平面は内陣・外陣にわかれ、西側に脇間があります。
内陣・外陣境と来迎柱のみ円柱で、その他は角柱となっています。

組物は外側には舟肘木、内陣・外陣境には平三斗拳鼻付きに蟇股を加えています。
建立は古いと伝えられていますが、蟇股はその形式から18世紀末のものと思われます。

しかし、当初のものと思われる柱や舟肘木には古いと思われるものがあり、一部には古材を残している可能性があります。
内陣・外陣境柱の内側にも繋梁の跡があり、当初とは平面などに変更があると思われます。

山門は重層の鐘楼門で入母屋造り本瓦葺です。

組物は上層のみ平三斗を置き、軒は上層が繁垂木二軒、下層が疏垂木一軒、簡素な門ですが棟札があり、文政7(1824)年棟上と記されています。

近年、本堂、山門ともに老朽化が進み、また平成3年の台風により大きな被害を受けたため、平成5年に屋根の全面の葺き替えと一部復元修理が行なわれました。

大川市教育委員会

建築様式の一部を紹介します。

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写真は違う寺のものです。

二軒(ふたのき)繁垂木

~間隔を詰めて並べた軒先の垂木。また、そのような配置。⇔一軒(ひとのき)疎(まばら)垂木

山門の写真で上層が二軒繁垂木で、下層が一軒疎垂木が見えるでしょう。

本繁(垂木)(ほんしげ:たるき)

細長い部材を連続的に並べるときに、見付き寸法と同じ長さの間隔をあけて並べることを本繁割りとよび、本繁に配置した垂木を本繁垂木という。


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上~舟肘木

中~平三斗

斗栱で柱上に直接ある大きい斗を「大斗(だいと)(青矢印)」、それ以外の巻斗や方斗を「小斗(しょうと・こます)(赤矢印)」と言います。

下~蟇股(かえるまた)
表裏で違うとか並んでいる蟇股の一つひとつが違う文様というものもあります。

木鼻(きばな)
社寺建築で、頭貫(かしらぬき)などの端が柱から突き出た部分。
多く、装飾として象や貘(ばく)などに似せた彫刻が施され、象鼻・貘鼻・拳鼻(こぶしばな)などと呼ばれる。


「蟇股・木鼻」には沢山の種類があり、見て回られると古都巡りの楽しみが増すことでしょう。


続きます。
by kusennjyu | 2010-09-06 14:24 | 肥後街道 |Topに戻る