2013三池街道(昭和初期の江浦町店舗)・千寿の楽しい歴史
三池街道(昭和初期の江浦町店舗)
地図は上が西です。右上から説明します。
渡里(わたり)を出て四ケ所を通り二里石を左に見て櫨と柳の往還を江浦町に入る。
お宮(淀姫神社)の大榎の下まで来ると常夜燈の横の鍛冶屋からトンカントンカンと槌音が長閑に響いて来ます。するともうすぐそこに赤い郵便箱の掛かった穀物と雑貨の老舗があります(地図の荒物屋)。いよいよここから店が続くのです。
隣は床屋、その隣はタバコの軒看板を下げた綿屋です。店と並んだ綿打直し工場では、凄い綿埃の中に目ばかり出した2・3人の女たちが忙しげに働いていました。
綿屋の向かいは荒物と雑貨の店(地図では2軒分上へずれています。)で、軒先には所狭しと旗竿と釣竿が立てかけてあり、その奥にダブス栓のついた酒の小売用の甕(かめ)が見え、山の様な商品の中で、いつも元気な叔母さんの声がしています。
隣は蝋屋です。通りに沿う工場で夕方になるとスイッチ切った回転機のベルトが、あーやれやれと言うように、グググーっと音を立てて停止します。と、表の通りはしーんと静まり返るのです。
向かいは飴型屋、その隣は笠屋、その前は油屋です。油の絞り船から湯気の立つ油粕を、裸の親父さんが1人で汗みどろになって掻き出しています。
隣は屋台を仕事にしている家で、雨の日は土間に屋台を引き入れています。
向かいは海鼠(なまこ)壁ある呉服・反物の店で物腰のしずかな人の店番で、隣は人力車、その向かいは果物屋で西瓜や柿の頃は、店中てんてこ舞いをします。柿の渋抜きの五衛門釜の藁蓋からはぽーっと柔らかな湯気が表の通りへ流れてきます。
隣は間口のひろーい塩物屋で、その隣は左官屋です。流行の改良くどや万年風呂を前の空き地に干し並べてある日もあります。
空き地の隣は元砂糖屋さん、その隣は染物屋さんで大きな藍甕が10ほども並び、藍甕の縁を歩いているのを見ると、いつ甕の中へ落ちるかと心配して覗いたときもあります。
隣は電球の取替えをしてくれた電業所で、仕立て屋、菓子屋と並び出張病院があり、その向かいは駐在所があり、分限者が多い吉原の中心となります。
三叉路を過ぎて
弓の矢の様な鉄の柵の立つ銀行の跡があり、やがて潮湯があります。この風呂は手拭いが茶褐色に変色するので、色の濃いほど潮湯の常連さんです。
こうして田中へ入ると、やっぱり少林寺までずーっと鰻屋、菓子屋などの店が連なり、少林寺手前の自転車屋を右へ折れると茶碗屋です。
向かいは肉屋で隣は精米所が2軒も並び、茶碗屋の隣はお菓子屋、隣は薬屋さんです。薬を入れる抽き出しの多い箪笥が座っていました。
向かいは酒の醸造店です。やがて瀟洒(しょうしゃ)な郵便局に来ます。その向かいは江浦村役場です。代書人さんも、ちゃんと役場の隣にいます。
田中を過ぎると光萬寺です。
光萬寺の前まで来ますとマルエの醤(ひしを)の匂いと、鰻の蒲焼の匂いがぷんぷん漂っています。
そんな町中には呉服屋、饅頭屋、鶏屋、塩物屋、それに昼も明々と電灯の灯っている提灯屋、砂糖屋、隣に酒屋、向かいは造り酒屋、そこを左に折れると小間物屋あり、床屋、菓子屋と続き、やがて店が尽きればもう溝尻です。
三池街道にあった公共的な施設
三池銀行江浦支店 吉原の三叉路東側。
明治19年地元有志の肝いりで沖端銀行江浦支店を開店、後に三池銀行江浦支店となる。
駐在所 明治20年開設。
道標 田中三叉路(少林寺前)
柳河藩では慶長17(1612)年に領内主要街道に一里毎に里石を設置したので、これと同時のものだろうと思われる。
道標石は30cmの角石の左右に「左原町」「右渡瀬」の刻字がある。
この道標石は地上部分が折れてしまったので、現在江浦小学校内に、二里石と並んで保存している。
江浦郵便局 田中南(荻原斗一宅)。明治6年より昭和42年まで。
郵便区は現高田町(除く飯江校区・竹海校区)、現大和町(除く南野、作出地区)、瀬高町の内旧川沿村。
大正初期の自転車の普及までは、配達夫は草履掛けで歩き廻っていた。
江浦村役場 田中南道出の三叉路。明治22年より昭和6年まで。
江浦小学校 田中南(荻原治三郎)
私塾を江浦小学校として創立。(明治5年―明治8年)。
高城(古森安宅)の地に新設(明治8年―明治13年)。
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