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江浦町の民話(松さんと白髪の老人・木の葉と変わったお土産編)
江浦町の民話(松さんと白髪の老人・木の葉と変わったお土産編)   「郷土江浦町」より。

3、松さんと白髪の老人   大正7年頃の話


荒木蝋屋の先祖の時代、蝋絞りの仕事に松さんと政喜どんの2人が働いていた。その日は朝から蒸し蒸しして大変暑い日であった。

昼食を食べてから隣の空き家に行って昼寝していた。ところが白い顎鬚(あごひげ)を生やした老人が「おい、おい」と松さんを起こして、あっちへ行けあっちへ行けと言って徳永方面へ連れて行った。

そして、その老人がぴらっと背中に飛び乗って後ろを向かず、あっちへ行けあっちへ行けと、徳永を越して水門近くまで連れて行った。そしたら小さい藁小屋があってそこに休憩した。

家では昼寝から覚めた政喜どんは松さんが居ないので家の者に知らせ総出で隣近所を探したが何処にも見つからなかった。

一方、松さんは夜も遅くなり今から家に帰ると言った。そしたら老人が背中に乗ったが、ちっとも重くは感じなかった。小屋を出てから元来た道を帰りハゼ倉庫の裏へ廻れと、老人が言うので倉庫の裏へ廻った。

すると物干し竿が倉庫の上の窓へ立て掛けてあった。老人が早くこの物干し竿から中へ入れと言うので竿を伝ってするすると倉庫の中へ入った。そうして蚊帳の中に寝ろと言って蚊帳の中へ押し込んだ。蚊帳の中へ寝ろと言われて入ったのは実は一番落としのハゼの房の中であった。

翌日、政喜どんが一番落としのハゼの房の山を、二番落としにするために少し広げたら足が出て来た。びっくりした政喜どんは家の中に駆け込んで皆に知らせた。一番先に婆さんが倉庫に駆け込んで来た。

そしたらガサガサとハゼの房から青い顔をして松さんが這い出して来た。そして婆さんの姿を見ると婆さーんと言ってしがみついてガタガタ震えていた。

それから2,3日の間、松さんは青い顔をして元気がなかった。以上の話はやっと元気になった松さんが後で皆に語った話である。昼食に油気のあるオバヤキ(鯨の皮)を食べていたので狐に化かされたとの事であった。

4、木の葉と変わったお土産

初っさんが川西(大和町)の祭りによばれて夜遅くなって、お土産の重箱を下げて、今福へ帰っていた時の話したい。

昔、光万寺のあった竹林(たけべし)の前の溝を渡ろうとしたら何もないのに足を取られて倒れてしまったたい。

きっと狐が重箱のお土産を欲しがっているのだなと思ったので、しっかりと重箱を胸に抱いておったたい。

やっと体が起き上がられ、やれやれと家に帰ったげな、家のもんな皆んな、何かあったっじゃなkろうかと心配しているところへ「ほんな今帰って来る時くさ、竹林の前ん溝んところで、うつったえて暫く起きられんじゃった、たい」と言うと「そりゃやっぱり狐が重箱んお土産ば欲しがったつばい」と皆んなが言うた。

風呂敷包もしっかり結んで胸にかかえとったけん、大丈夫と思っていたくさい、そして風呂敷包を解いて重箱ん蓋ば取ったら皆んな、びっくりした。

お土産の代わりに木の葉と土の塊が一杯詰まっていたたい。どげんして重箱ん中んお土産ば取られたか不思議でならんたい。

続きます。






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by kusennjyu | 2013-08-07 10:26 | 郷土江浦町 |Topに戻る