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千寿の楽しい歴史
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県を跨いで歩く3(荒尾市万田)千寿の楽しい日々
県を跨いで歩く3(荒尾市万田)  万田抗跡

いま万田坑に世界が注目しています。

世界遺産を目指して 「九州・山口の近代化産業遺産群」

「九州・山口の近代化産業遺産群」は、世界遺産の候補として、2009年1月にユネスコの世界遺産暫定一覧表に記載されました。

万田坑を含むこの遺産群は、日本が幕末に西洋技術を導入して以降、非西洋地域で初めてかつ極めて短期間のうちに飛躍的な発展を遂げた大きな原動力となったことを示しており、古来、日本と海外の窓口として外国の文化や技術を受容する最前線の役割を担っていました。

万田坑(今年4月から入館できるようになりました。)

県を跨いで歩く3(荒尾市万田)千寿の楽しい日々_a0137997_1004683.jpg県を跨いで歩く3(荒尾市万田)千寿の楽しい日々_a0137997_1005828.jpg


県を跨いで歩く3(荒尾市万田)千寿の楽しい日々_a0137997_1022624.jpg明治期
建設中の万田坑(明治31年頃)

荒尾市と大牟田市に跨る万田坑は、当初官営であった三池炭鉱は明治22(1889)年に民営として操業を開始し、その後、宮原坑に次いで開発されたのが荒尾市・大牟田市に跨る万田坑です。

明治30(1897)年に第一竪坑の開削着手後、明治35(1902)年に採炭を開始しています。
明治31(1898)年に第二竪坑の開削着手後、明治41(1908)年に採炭を開始しています。
万田坑は、三井三池炭鉱における総鋼鉄製櫓の構造物として始めてのものでした。

明治41(1908)年に三池港(大牟田市)が完成し、炭鉱とそれを結ぶ専用鉄道が開通するなど、三池炭鉱全体のインフラの整備も急速に行われました。

県を跨いで歩く3(荒尾市万田)千寿の楽しい日々_a0137997_10293150.jpg大正期
第一竪坑巻揚機
大正期は、万田坑での石炭の生産が非常に活発化した時期であったため、多くの施設が増設されました。

大正期になると、三井三池製作所などで優秀な国産の機械が製作されるようになりました。

排気を利用した万田発電所を新設するなど、蒸気機関がだんだんと電気動力に変更されはじめたのもこの時期です。

「四山坑」が開削と操業を開始したのもこの時期です。
第一竪坑と第二竪坑がありコンクリート製で、初めて電力を動力とした、当時の国内最大級の巻揚機が備えられていました。
特に第一竪坑櫓の46mを越える高さは東洋一を誇り、昭和初期の出炭量は年間40万トンを超える三池坑の主力坑の一つでした。

県を跨いで歩く3(荒尾市万田)千寿の楽しい日々_a0137997_1045364.jpg昭和期以降
万田坑全体 採炭終了以降(昭和26年頃)

昭和期に入ると、万田坑の最盛期を迎え、昭和2年~昭和20年までの19年間でに約1600万トン(年平均86万トン)を出炭していました。

昭和29(1954)年に第一竪坑が解体されるなど、諸施設の解体が進みましたが、第二竪坑は、揚水や坑内管理のため、機能が維持されました。

昭和30(1955)年頃から、日本は高度成長を迎え、国内のエネルギー政策の転換が行われ、石油がエネルギーの主力となり、徐々に出炭量を減少していきました。

三池争議という労働争議が繰り広げられたのもこの時期です。

平成9(1997)年、三井三池炭鉱は閉山し、明治の官営期から124年間続いた鎮台炭鉱の歴史に幕を下ろしました。

左~万田坑建物の展示された絵。  右~万田坑全体の模型図。

県を跨いで歩く3(荒尾市万田)千寿の楽しい日々_a0137997_11315788.jpg県を跨いで歩く3(荒尾市万田)千寿の楽しい日々_a0137997_11252370.jpg


万田坑の入館料は400です。信号を曲り、すぐの万田坑ステーションで券を購入して下さい。

県を跨いで歩く3(荒尾市万田)千寿の楽しい日々_a0137997_1183640.jpg三池炭鉱の主要施設と三池炭鉱専用鉄道(緑色)
妻の実家は荒尾市の西岱洋区にあり、平井駅から乗り、原万田駅で降り、大牟田市四山で買物をしていました。その頃は県境の町として商店街は一番賑わっていました。

昭和40年頃の三井グリンランドは遊戯施設は少なく、ぶどう園が殆どという状態でした。

万田炭鉱館(無料)と機関車の展示写真。

県を跨いで歩く3(荒尾市万田)千寿の楽しい日々_a0137997_11332459.jpg県を跨いで歩く3(荒尾市万田)千寿の楽しい日々_a0137997_11242622.jpg


    荒尾市の観光パンフレット「万田坑」より。

世界遺産に登録されるように応援します。

皆さんの応援をお願いします。
by kusennjyu | 2010-09-26 10:49 | 柳川・大牟田・大川の歴史散策 |Topに戻る