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千寿の楽しい歴史
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2012天然樟脳づくり(150年の歴史の内野樟脳)・千寿の楽しい歴史
天然樟脳づくり(150年の歴史の内野樟脳)   

平成24年7月26日午後にみやま市瀬高町長田の内野樟脳を訪問しました。

長田地区には10軒も樟脳製造所があったというが今ではここのみになってしまった。

産業遺産を語る。  北嶋柚香子さんの文章から。

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樟脳(しょうのう)は、樟で作る天然防虫剤ですが、樟がアジアの一部でしか育たないため、古くから珍重されました。

明治維新後は、薬・香料・セルロイドの原料とされ、日本では国の専売品とし大量生産しました。

そして、今また、唯一の天然防虫剤や癒しのアロマとして再び注目されようとしています。

福岡県南部を流れる矢部川のすぐ側に、「内野樟脳」はあります。

幕末から続く工場で、古来の製法で天然樟脳を作っています。昨年4代目の内野清一さんが亡くなり、現在は天然樟脳を守る会の人たちが集まり、妻の内野和代さんと一緒に作業をしています。

工程絵表  番号は下の写真説明に使用します。

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左~①楠木を輪切りしたもの   右~150年前はこの鉋で上のチップ状に削っていました。
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左~②円盤削切機・80年前から使用しています。 右~③に集まる削られたチップです。この形に削られるから良い樟脳が出来上がります。

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左~④蒸釜  右~竃(蒸気が蒸釜の下へ移動して蒸します。)

燃料は④で蒸して乾燥したものを2階から入れます。

チップを蒸釜に入れて10時間ほど蒸します。(これを3回繰り返します。)

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左~⑥蒸気のパイプを水で冷す。  右~⑥で冷された後、パイプで⑦に移動して、再度、水で冷します。

水で冷す工法を土佐式製脳法と言います。この方法により能率が上がり、生産量が多くなりました。

この以前は大きな壷を逆さにして蒸気を入れて冷えて固まったものをこさぎ取っていました。

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槽に樟脳と油が混ざった物が、シャーベット状に浮かぶ。(最初は、金色だった樟脳をすくうと上から白くなっていくから不思議です。感触はシャリシャリと蜂蜜が固まったようです。)

左~⑨圧搾機(明治時代のもの)日本専売公社から譲り受けたもの。   右~⑨の蓋を開けて中を見る。

明治時代は、シャーベット状で出荷して、日本専売公社に何台も圧搾機が並んで圧搾して製品にしていました。

約6トンのチップから、出来るのはたった20kgくらいです。

そのかわり、自然のエキスをいっぱい吸い込んだ「貴重な香り」です。

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昔の道具類  今は使われていません。

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⑩釜で焚かれた後の灰は肥料などとして使用します。

西日本新聞 平成22年12月22日記事より。

明治時代は輸出品の主力で全国に製造書があったが、約50年前に化学合成品の樟脳が普及し始めると、製造書は次第に姿を消し、今では内野樟脳と、内野さんが技術指導した宮崎県日向市内のケ所だけという。

天然樟脳は、化学物質アレルギーがある人の肌に優しく、香りはリラックス効果もあるため、近年その良さが見直され、販路は全国に広がる。





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by kusennjyu | 2012-07-27 14:06 | みやま市の産業 |Topに戻る