2013竹久夢二をめぐりて・玉三郎と「長崎十二景」・千寿の楽しい歴史
竹久夢二をめぐりて・玉三郎と「長崎十二景」
福井健夫随想集より
玉三郎と「長崎十二景」
ほんものの女よりずっと美しいといわれる、歌舞妓女形の名優坂東玉三郎さんの創作舞踊福岡講演が目前に迫って、もう私は胸がわくわくしている。
演目のうち、尺八の古典本曲を素材とした『鶴の巣ごもり』の沈痛さも、泉鏡花の戯曲の朗読を主伴奏と摺る『天主物語』のユニークな流麗さも、すでに東京で高い評判を得たきわめ付きのものというが、第3部の『長崎十二景』は今度の福岡が皮切りの初演で、玉三郎のこの主題への永年の熱意の発露であるらしい。
『長崎十二景』は、明治末期から大正・昭和にかけて一世を風靡し、近来また盛んな人気の復活を見つつある天才抒情画家・竹久夢二の代表的傑作の中に数えられる名画であり、玉三郎さんも早くからこの作品に魅せられ、そのかれん精細な女たちの風情を舞踊化してみたいというのが永年の念願で、その間じっと心の中に温め続けてきたこのテーマを、このたび初めてわが福岡で実現されることになったのだという。
『長崎十二景』というのは、①眼鏡橋 ②灯籠流し ③浦上天主堂 ④凧揚げ ⑤出島 ⑥十字架 ⑦丘の家 ⑧ネクタイ ⑨サボテンの花 ⑩青い酒 ⑪化粧台 ⑫阿片窟の12点で、スケッチ帳には、大正7年の夏、長崎の南蛮文化研究家永見徳太郎氏邸滞在中写したものだが、翌々9年東京に帰った後、それを水彩として永見氏に贈ったものと伝えられる。夢二はどこへ出かけるにもスケッチ帳を身から離さなかった人である。
福井健夫の大正7年夏の生活
大正7年の夏、夢二が長崎滞在のころ、私は、当時長崎県立公園であった雲仙のホテルで学生アルバイトをやっていた。京都では夢二がおしの(本名笠井彦乃)さんと同棲していた東山枡屋町の家に家族待遇で入りびたり、府立図書館での個展ではマネージャ役も務めたのだった。
夢二追って九州に来たものの、別府で発病入院したおしのさん看病に、長崎から別府に行く途中、夢二は私をたずねて雲仙に登って来たので、伊藤白蓮さんの定宿だったホテル別館に泊めて一晩語りあかした。
ホテルにも絵を残して、彼は東麓の島原を経、別府へ向かったのだが、その島原で見た精露流しのイメージが長崎十二景中の灯籠流しの中に紛れ込んでいるという人もいる。
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