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東京災難画信4回目・都新聞に連載された竹久夢二の報告文
東京災難画信4回目   都新聞に連載された竹久夢二の報告文

十四  大正12年9月27日  木曜日   都新聞掲載

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がらッと来ると、細君も子供も」おいてきぼりで、家の外へ飛び出した良人に、細君が怨(えん)じて言うのだ。
「まああなたという人は、私にはまるっきり愛がなかったのね。私よりも御自身の方が可愛いのでしょう」
 
不幸な良人は、何と言い解く術を知らない。

東京から遠く旅していたある男は、東京全滅と聞いて、立詰(たちづめ)の汽車に乗って、清水港から船で、観音岬までくると建物や建具や人の死体が、海一面に浮いているのを見て、東京が全滅しては、最愛の妻も生きてはいないだろう。涙ぐんで帰ってみると、日頃勝気な細君は、焼出されはしたが、自分の着物と貯金帳だけ持って親許へ帰っていた。

着たきり雀になった良人は、それでもやっと言うのだった。
「兎に角、お前が生きていて良かったよ」
そんなに心の底まで見せ合っても、生活はすぐに不幸を忘れさせるだろう。

東京災難画信   竹久夢二

二十一  バビロンの昔   都新聞掲載

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「白木屋前お降りの方はありませんか」今に市街自動車の車掌はそう言う。白木屋はもう跡形もない。
 「ここがそれ昔銀座と言って大そう賑やかな街だったよ」と乗合馬車の上から田舎の青年に教えている紳士があった。

「ここで昔勘彌(や)という名優が(お国と五平)をやって大入をとったものさ」

帝劇の前で、菊五郎格子の手拭いを一本五銭で売ったり、(慘酷なエハガキ)の密売を誰がしようと思ったろう。

死骸の指からでも抜き取ったか、焼跡からでも掘出したように見せかけて、文銭の指輪を煙でいぶして、見栄坊な人間 の弱点を二重につけこんで売りつけている商人がある。

命を二つも三つも拾った素裸身(すはだか)の人間は、もう命が惜しくもないらしい。浅草公園では手荒い喧嘩の四つ五つない夜はないそうだ。

酒だ、女だ、いつ死ぬか人間に何がわかる、観音様だけが御存じだ。そして喧嘩だ。
 
東京はバビロンの昔に還った。

東京災難画信   竹久夢二

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by kusennjyu | 2014-12-15 21:21 | 芸術と文学・童話
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