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千寿の楽しい歴史
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2016山幸彦海幸彦縁起絵巻(天井絵)の解説・千寿の楽しい歴史
山幸彦海幸彦縁起絵巻(天井絵)の解説

肥前一宮 與止日女神社

この天井絵は與止日女神社が豊玉姫命(與止日女命)を祭神としており、奈良時代に書かれたとされる「古事記」の中に出てくる、ホオリノ命(山幸彦)、ホヨリノ命(海幸彦)の物語を、絵巻風に描いております。浦島太郎伝説の元となっているものです。

皆さんの読み易さに配慮して、解説文の中では、ホオリノ命(山幸彦)を弟、ホヨリノ命(海幸彦)を兄と表現しております。

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巻一 弟が、兄の釣針を借りて失う。

昔、兄弟の神様がいた。兄は、釣りをして暮らし、弟は、山で狩りをして、暮らしていた。

ある日、弟は兄の釣針を借りて釣りをしていた。と、にわかに大きな魚がかかり、糸を切られてしまった。

兄の大事な針を失った弟は、事の次第を兄に報告した。

兄は、「他の針では駄目だ。あの針を返せ。」と責め立てる。困り果てた弟は、失った針を求めて海辺をさまよった。その姿を見た老人が、籠を担いで近寄ってきた。

場面 一~三

なだらかな土手が、高く、低くうち続いている。枝を大きくなびかせた松の間に紅葉が美しい秋の景色である。

頭に桶を乗せた召使いの女が、子どもを連れて道行く姿が見える。

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場面 四

浜辺の近くの兄の家。板葺き屋根ながら立派な敷物を敷いたしゃれた建物ある。

弟が兄を訪ね「釣針を貸してほしい」としっこく頼んでいる。

場面 五

家は浜辺伝いに建てられている。近くに砂浜の上では、この家に仕える召使いが魚の料理に余念がない。

まな板を据え、魚籠(びく)や桶に盛った魚を、次々に手際よく料理している。

場面 六

竹上のスノコのする上には、乾物に魚が並べられている。

櫓(ろ)や櫂(かい)、網などが雑然と立てかけらており、樹間には網が干してある。
付近にはサリや蛤(はまぐり)が散乱し、亀の甲羅が転がっている。


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場面 七~九

折り戸を出ると潮騒が聞こえてくる。岩や浜に大波小波が寄せては返す。沖合から海上を吹き渡ってくる風が、ザワザワと松の葉の揺れる音を奏でる。

岩間から這い出した子ガニがハサミを立てて、楽しそうに浜の上を踊っている。

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場面 十~十二

兄から釣針を借りた弟は、気負い込んで船を沖合にこぎ出した。糸を垂れるのもつかの間、グッと大きな手応えがあった。

船頭が「旦那様、慌てなさいますな。ゆっくりと引き上げなさい。」というのも耳に入らぬ弟は、大急ぎで糸を手繰った。

「やや、逃がしておしまいになりましたな。惜しいことを。釣糸が切れたのでは、どうにもなりません。さあ、浜に帰りましょう。」と、船頭が力強く櫓を漕ぐ。

舳先では、弟が失った針の言い訳をなんとしょうか考え込んでいる。烏帽子の上に綾傘をかぶった弟は、ますます考え込んだ。

浜の上空を千鳥が悲しい鳴き声を立てながら群れ舞lっている。

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場面十三

やがて、波間に大きな鯛が姿を現した。糸を力一杯に引いたとたんにブツリと切れた。

鯛は水泡だけを残して、深く潜ってしまった。そこで、眼の前の場面に戻さねばならない。

弟は兄に事の次第を説明し、何回も謝ったが、兄の怒りは募るばかりであった。

「私の大事な針じゃ。他のものを千本持ってこようとダメだ。あの針を返せ」とえらい剣幕であった。

場面 十四~十五

弟は困り果てて浜辺を歩き回った。いつしか涙に濡れて泣き顔になっていた。
 
折から、うす黄色の直垂(着物)を着た老人に出会った。

秋の日は暮れかかり、冷たい夕風が吹き始めていた。弟の心は次第に暗くなるbかりであった。


巻二に続きます。







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by kusennjyu | 2016-10-27 08:47 | 歴史学習会 |Topに戻る