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千寿の楽しい歴史
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2017長谷古墳群(②村山健治収集資料)・千寿の楽しい歴史
長谷古墳群(ながたにこふんぐん)

瀬高町大草 

みやま市史資料編上巻(発行・平成29年3月)

P330~P339より

みやま市教育委員会発行


②村山健治収集資料  

伝長谷古墳群8号墳出土資料 

資料が出土した8号墳は女山神籠石長谷水門の丘陵先端部に位置する古墳(図4)で、村山健治の概要報告の図面(図5)から小型の竪穴式石室であったと考えられます。概要報告(文献1)によると、8号墳から刀装具を含む大刀1振・馬具(轡)・耳環9点、水晶製管玉1点が出土したとされ(表1)、現在刀装具、大刀の一部のほか、8号墳出土とされる耳環15点が市および九周歴史資料館に保管されています。ここでは8号墳出土とラベルに記された村山健治収集資料について紹介します。

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大刀(図10)

(1)は、大刀の身先端部付近で、長さ12.9cmが残っています。(2)は長さ26cmほど残存する大刀の身で、鞘(さや)の木質が一部残っています。

刀装具など(図11・12)

(1)は金胴装鐔(こんどうそうつば)です。鎺(はばき)とは別造りのもので、鉄製
の鎺に厚さ1.5mm程度で、銅板で覆い、その後鍍金を施しています。鎺の裏面は現在剥離して、鉄部分が露出していることから、本来は表面と同じく銅板で覆っていた可能性があります。また、土圧により鐔(つば)が曲がっています。法量は長さ6.8cm、幅5.2cm、厚さ1.6cm、重さ42.5gを測ります。(2)は大刀の切羽で、厚さ1mmの銅板に鍍金を施して製作しています。裏面には鉄錆(てつさび)が認められます。法量は長さ5.9cm、幅3.5cm、高さ1.1cm、重さ6.6gを測ります。(3)は鞘尻金具(さやじりかなぐ)で、表裏2枚の板を銀蝋付(ぎんろうづ)けし、その後鍍金を施したものです。上面には幅5mmの責金具痕(せめかなぐこん)が残っています。法量は長さ9.7cm、幅2.8cm、厚さ1.9cm、重さ51.4gを測ります。

(4)は方頭環頭で、中央に1cm程度の円形の懸通孔(かけどおしあな)を開け、最後に別造りの銅板を銀蝋付けで蓋をして製作したと想定されるものです。鍍金は認められません。法量は長さ3.8cm、幅3.3cm、厚さ1.75cm、重さ5.3gを測ります。この(4)の方頭環頭は、概要報告(文献1)で情報は掲載されていませんが、この方頭環頭と(1~3)がセットで方頭環頭おお刀を構成していた可能性があります。

(5)も概要報告で情報はないものですが、刀装具の責金具と思われるものです。銅芯鍍金のもので、土圧により歪みとワレが生じています。法量は長さ4.0cm、幅2.4cm、厚さ0.25cm、重さ261gを測るものです。(3)の鞘尻金具には責金具痕が認められますが、(5)は大きさから鞘間の責金具と考えられます。また、(1~5)はセットであった可能性があります。

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耳環(図12・13、観察表は表3)

(1~15)は、8号墳出土とされる耳環15点ですが、一覧表(表1)には耳環8点出土したとされるため、少なくとも7点は他の遺跡ないしは本古墳群の他の古墳採集のものが含まれていると思われます。また銅芯銀箔貼の耳環が多くを占めており、意図的に銀箔貼のものが集められた可能性も考えられます。

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続きます。






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by kusennjyu | 2017-07-13 17:57 | みやま市の歴史 |Topに戻る