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千寿の楽しい歴史
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2009新開能(みやま市高田町の文化)千寿の楽しい歴史
新開能(しんがえのう) 

福岡県指定無形民俗文化財


宝満神社で毎年10月17日に奉納されている「新開能」を見て来ました。

宝満神社の創建は古く、680年(飛鳥時代)筑前の国にある、 宝満竃神社の別宮として勧請し建立されたもので、 一時荒廃しましたが、柳川藩主立花宗茂によって再興されました。
 
新開能は享保元(1716)年、柳川藩主の立花鑑任(たちばなあきたか・第4代藩主)が祈願成就のため、能楽を奉納したことが始まりといわれます。

現在は氏子の自主運営であり、能楽師でなく、地元の人たちが舞う農民能として全国でも珍しいものです。

能 加茂(かも)

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京都の賀茂神社に参詣した播州(兵庫県)室明神の神職とその従者が、鴨川の河辺へ祭壇が築かれ白木綿に白羽の矢が立てられているを見、ちょうど神に手向けの水を汲みにきた2人の里女たちにいわれをたずねます。

すると里女は、そのむかし、秦氏女という女性が、鴨川の上から流れてきた白羽の矢を拾って持ち帰り、庵の軒にさしておいたところ、懐妊して男子を生んだこと、実はその子が別雷神(御神体)で、生母と矢とともに加茂3所(上加茂神社、下加茂神社、松尾神社)の祭神となったことを語って消え失せます。

そのうち御租人である天女があらわれて天女之舞を舞って見せるうち別雷神が姿をあらわし、一種の神舞ともいうべき舞を舞って見せ、君を守り、国を護る様を示したのち、御租人は加茂の糺(ただす)の森に、別雷神は天上に飛び去って行きます。


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能を見ながら、大鼓、小鼓、太鼓、笛が一つになり絶妙な音色に歓心しました。

狂言 福の神(ふくのかみ)

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2人の信心深い男が、毎年の大晦日の恒例として福の神へ参詣することにしました。今年は大晦日、2人は誘いあわせて大社に出かけました。2人が参拝し、年越しの豆をまいていると、福の神があらわれます。

熱心に参拝する2人を幸せにしてやろうと思いあらわれたといいます。福の神は2人に酒を振る舞えと請求し、その酒を他の神々にも供えます。

そして2人に幸せになる秘訣を、勤勉でやさしく、来客を喜び、夫婦仲を円満にし、なお福の神に酒を供えることだ、と舞い語ったあと、大笑いして立ち去っていきます。


瓜盗人(うりぬすびと)

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畑の瓜が何者かに盗まれているので、畑主は案山子を作って帰ります。

その夜そこへやってきた瓜盗人が、一度は案山子を人と見まちがえて驚きますが、作り物と知り腹を立て、案山子をこわし畑を荒らして立ち去ります。

翌日、畑主自身が案山子に化けて待ち伏せます。ふたたびやってきた盗人は畑主の化けた案山子の仮面を見て、祭礼の余興に出る罪人(地獄の亡者)を連想し、案山子を罪人や鬼に見立てて、鬼が亡者を地獄へ責め落とすまねを演じます。責め、責められながら、ひとりおもしろがるうちに、正体をあらわした畑主の一喝をくらって追い込まれます。

この後で私は帰りました。この後の番組だけを紹介します。夜の9時頃まであったと思います。

能 敦盛(あつもり)・狂言 神鳴(かみなり)・狂言 首引(くびひき)・能 羽衣(はごろも)・狂言 清水(しみず)・能 子鍛冶(こかじ)

以上が奉納されました。全部のあらましは判っています。








みやま市には瀬高町大江の「幸若舞(こうわかまい)」国指定重要無形民俗文化財)があり、
毎年1月19日に大江天満宮で奉納されます。
by kusennjyu | 2009-10-17 23:04 | 柳川・大牟田・大川の歴史散策 |Topに戻る